コピーライターとして「文」とは四六時中、向き合っている。けれど、「文」になる手前の「字」と向き合っているのかと問われると、情けないことに頭を横に振るしかない。言い訳をするならば、コピーライターの考えた「文」を、「字」として「形」や「大きさ」「色」を考えて最終形に落とし込むのはデザイナーさんの仕事だからだ。すると当然、「字」について知りたければ、デザイナーに聞けばいい。
『字本』の著者は、東京オリンピックのピクトグラムも手がけたグラフィックデザイナーの廣村正彰さんだ。デザイナーの「字」の本だからフォント集みたいなものかと思うけれど、そうではない。字の表現方法について模索した本ではなく、「字と脳」「字と視覚」の関係性について丁寧に考えることで、字という存在自体を解剖してじっくり観察するような本だった。
【書籍情報】
タイトル:『字本 JI-BORN』
著者: 廣村正彰
発行: Art Design Publishing(2009年11月24日 初版発行)
定価: 本体3,800円 + 税
ISBN:978-4-903348-13-1
