編集とはどのような行為か。
「編集」という言葉から僕が連想したのは、「編集者」のイメージだった。特に、小説家や漫画家と二人三脚で作品を作り上げていくほかに、大御所についた編集者はとにかく頭を下げて原稿をもらっているような姿が想像される。
だからといって創作者をサポートするような人たちだけではなくて、松岡正剛さんのように博識で、巨人のような編集者の存在もなんとなく知っている。
妻に「編集の本を買ってさ〜」と話をすると、「私も編集してみたいんだよね」と映像の編集の文脈で会話が返ってきたりもした。
管付雅信さんは、「コンポジット」「インビテーション」「エココロ」の編集長を務めた方で、2020年には全編英語の雑誌「Esperanto」も創刊している。彼を知ったのは、大手広告代理店のコピーライターの方が、彼の主催する「編集スパルタ塾」に参加しており、とてもつらそう(大変そう)&楽しそうな参加報告をしていたからだった。
だから、「編集」について知りたいと思った時に、迷わず管付さんの名前を検索し本を購入した。直感は見事に大当たりで、この本を読んで、編集についての軸を一つ持てたような感触がある。
「編集」に長年携わってきた管付雅信さんは、途方もなく意味が広い「編集」という行為に、一つの答えをくれる。
「企画を立て、人を集め、モノをつくる」こと。
新装版 はじめての編集 p08
僕は新卒から広告代理店に入ったので、同じような仕事をする人たちを「CD=クリエイティブディレクター」と呼んでいた。そして、そう理解してみると、「広告をつくる」も「編集をする」もかなり似ている。というか、広告作りも、編集の一つだったのか!と気が付いた。
クライアントワークなのか、そうではないのか。商品を編集するのか(広告)、編集が商品になるのか(雑誌)。違いはあるが、本質は一緒。
実際に、管付雅信さんは編集者でもあり、広告も作っている。
だからこそ、ありきたりな表現になるけれど「この本に、社会人一年目のときに出会いたかった!」というのが正直な感想だ。
この本は「編集」とタイトルがついてはいるけれど、広告代理店に興味がある若い人たちにもぜひ読んでほしい。「クリエイティブ」の基本が書いてあるから。
その創造するために必要なことを整理すると次のようになります。
1:古いきまりを壊すには、それをしっかり知らなくてはならない。
2:壊すには、外からの力、イメージ、アイデア、人脈が必要。(中略)
3:だから、過去を知ることと、外を知ることが大事
新装版 はじめての編集 p244
言葉通り、この本も「編集」の歴史を振り返るところからはじまり、そして編集における「ターニング・ポイント」も教えてくれる。ルールを打ち破った名作を数多く紹介してくれているので、これから編集を深く知るための手がかりとして機能してくれる。本棚に置いておきたい一冊だった。
僕の肩書きはいま、コピーライターだ。言葉を信じることから、人を動かすような企画やキャッチコピーを生み出していきたいと思っている。でも携わっていることの本質が「編集」と同じならば、広告に限らずとも、コピーライターとして力になれる分野は広いのかもしれない。
編集で、自分がどのように力を発揮できるか、探っていきたい。
【書籍情報】
タイトル:『新装版 はじめての編集』
著者: 菅付 雅信
発行: アルテスパブリッシング(2019年7月30日 初版発行)
定価:1,980円(本体1,800円+税)
ISBN: 978-4-86559-207-8
